Limaoの中国裏事情ブログ

早稲田大学卒業、東洋大学大学院中退、2015年中国は湖北省の武漢大学に語学留学、2016年現地企業のサラリーマンを経て帰国。その後はフリーランスの日中翻訳者として東京を拠点にタイや台湾などでノマドワーカーしてます。 日本にいてはなかなか分からない中国大陸や台湾、香港などの実際のありさまをレポートします。中国語や台湾語の学習情報も更新していく予定。乞うご期待!

中国人は家族と友達をなにより大切にする

中国人と接していていつも思うのは家族のきずなを何より大切にしているということなんです。中国の親は子供のことを一番大切に思っているし、子供は親孝行をつねに心がけています。なので、私は中国に留学していた時、家庭に事情があって片親(しかも連絡がつかず)であるというだけで随分同情されました。日本では、特に若い男性など、母親と仲が良すぎるとマザコンなどとからかわれるので、成人すると親と距離を取る傾向なのがふつうですが、私が一時高田馬場ルームシェアしていた安徽省出身の中国人の青年などは大学生だというのに毎日のように母親にWechatで電話し、自分の日本での暮らしぶりなど一日一時間以上話していました。

そして、中国人に絶対に使ってはいけない言葉は“他妈的”“你妈的”などの相手の母親を侮辱する表現です。

また、中国人の特徴として、友達をとても大切にします。大学生はルームシェアが基本で、友達とは食事でも買い物でも、いつも友達といっしょです。また困ったことがあれば何でも親身になって相談にのってくれます。私のWechatのグループである中国人の青年が東京に出張にきた際、帰りにホテルにお気に入りの服を忘れてしまったのですが、同じグループの別の中国人がわざわざそれを引き取りに行って、自腹を切ってEMSで配送してあげていました。二人はネットだけのつきあいで面識がないにも関わらずです。彼に言わせれば「友達同士助け合うのは当たり前」だそうです。

横暴な皇帝権力が全土を治めていた中国では、時の国家権力が暴虐の限りを尽くす時代が長くつづき、また異民族の侵入も盛んであったため、島国の日本と比べて生存競争は遥かに熾烈でした。そういう社会では基本的に見ず知らずの他人は信頼できず、その分血族関係や朋友関係に依存していました。今でも、中国人は陌生人(mo4sheng1ren2、赤の他人)にはものすごく冷たく、不親切ですが、自分の友だちにはとことんまで尽くします。「中国人は友達のために死ねる民族である」と言っても過言ではありません。

また、中国でビジネスをする際には友達同士のネットワークが重要であり、就職や商売のチャンスも口コミで手に入れます。中国で誰もが使っている微信(wei1xin4、日本のLINEのようなもの)には朋友圈(peng1you3quan1)というSNS機能があり、ここでは就職から製品の代理購入、結婚相手の募集までありとあらゆる情報が交換されています。

人間関係の構築が速いのも中国人の特徴であり、友だちになるまでの過程は日本に比べてずっとスピーディーです。これから中国に留学・赴任される方は是非現地の人たちと友だちになることを進めます。日中友好のためとしては勿論、あとで色々助けてくれます。というか、中国大陸でこれから生活しようという人にとっては友達の有無が文字通り生死を分けます。