Limaoの中国裏事情ブログ

早稲田大学卒業、東洋大学大学院中退、2015年中国は湖北省の武漢大学に語学留学、2016年現地企業のサラリーマンを経て帰国。その後はフリーランスの日中翻訳者として東京を拠点にタイや台湾などでノマドワーカーしてます。 日本にいてはなかなか分からない中国大陸や台湾、香港などの実際のありさまをレポートします。中国語や台湾語の学習情報も更新していく予定。乞うご期待!

日中は本当に友好関係を築けるか?

日中友好

 

 

大連の日本を題材にしたテーマパークが営業停止にされたのは、つい2021年のことで、まだ覚えている方もいると思います。

また、福島のALPS処理水が「核汚染水」として中国国内で報道され、国内の一種のガス抜きのように反日機運が高まったのはつい最近のことです。

 

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これらの事件は中国のような国では国家指導者の裁定によって決定されていることはまず間違いないので、習近平氏が本気で日中友好を考えているかどうかはかなり疑わしくなります。

 

しかし、そもそも「反日」は中国の国是です。それは「中国共産党が悪逆無道の日本侵略軍を撃退し、国内を封建主義や帝国主義の手先から解放して社会主義の理想郷を築いた」という、現代中国の「建国神話」に基づいており、それが現在の国家体制の根本と不可分に結びついているので、この際習近平氏の意向がどうであれ、あるいは習近平氏が本気で日本との宥和を望んでいる場合でさえ、中国が反日から国家の方針を軌道修正することはほぼ不可能なのです。

 

一方で、日本も歴史問題で中国と真に和解するのは難しい状況です。靖国神社の問題は言うに及ばず、中国と抜き差しならない対立の原因になっているのは過去の侵略戦争にまつわる、所謂「歴史認識問題」です。しかし、保守政権の閣僚や総理大臣が靖国に欠かさず参拝することから分かるように、歴史認識問題は日本側の国家体制と不可分に結びついています。

有り体に言えば、日本は明治維新以来この国を支配してきた一部の上流階級が、敗戦後もアメリカの支配権力と協力(或いは妥協)することで民主主義の建前の下牛耳り続けている寡頭政国家です。真に日中戦争南京大虐殺について謝罪し、侵略の責任を認めることはこの国の支配階級の利益に直接影響します。そのため、日本側は日本側で歴史認識で真に中国と和解することはできないのです。

 

では、どうすればいいのでしょうか?

私が改めて主張したいのは歴史は民衆の意志と力によって動いてきたという事実です。どんな支配権力も民衆を無視しては権力を維持できません。それは有史以来、易姓革命を繰り返してきた中国4000年の歴史を鑑みれば明らかでしょう。われわれにできるのは、自分の身近な中国人、或いは日本人と友達になり、友好を深め、過去の歴史を乗り越えていくことだけです。それにより、日中は真の友好関係を築けると思います。