以下は内容が中国語のスラングの紹介で下品な表現について説明してあるので、読んで不快な気分になられないようご注意ください。
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この動物についてご存知でしょうか?
これはアルパカという動物ですが、中国ではこの動物の画像がよくネタとして使われています。
アルパカに相当する中国語は羊驼ですが、アルパカは泥の中で生きていて、草を食べる動物だから 「草泥马」という呼び方もあります。
簡単に言うと、中国語でFuck youという言葉と、この動物の呼び名の発音が(声調を除き)いっしょという訳です。
カタカナで、ツァオニーマーというのが近い発音です。
この言葉は中国人に面と向かって言うと、ガチの殺し合いになるか、よくて頭のおかしい人と思われるので、覚えない方がいいでしょう。
(一応、日本人でも自分が言われた場合に備え意味は知っていても良いです。)
この言葉は、漢字で、操你妈と書きます。操は当て字で、肏と書くのが正式な表記ですが、非常に下品な意味です。操と書く場合は第4声で発音します(操作の操の場合は第1声)。cao4と発音が似ている 草 で表現したり、草冠だけで代用できます。
艹 ←この部首だけで表せます。WeChatなどでよく使われます。
ローマ字で CNM と書いたり、同じ意味の言葉で,TMD とローマ字で書く場合もあります。cao4は女性器に男性器を挿入するという意味で、CNM, TMDは「お前の母親を犯す」という意味です。
TMDは漢字で他妈的と書きますが、この他は実は你の意味です。他に我的孙子,我是你祖宗という言葉もありますが、いずれも「お前の母親やそのさらにまた母親をレイプする」という意味です。前にも述べましたが、中国は母親を大事にする文化なので、この言葉を言われた中国人は酷い精神的苦痛を感じます。
なお、台湾ではカン、カンリリリャン、カオヤオなどと言いますが、漢字で「幹」「幹你娘」と書きます。標準中国語のツァオ、ツァオニーマーと全く同じ意味、発想です(華人社会の共通項みたいなものです)。
他には、馬鹿野郎という意味で傻逼(シャーピー)という悪い言葉がありますが、ネットでは、SB,伞兵,などと書きます。MGBやBという場合もあります。発音はそれぞれ、マーガピー、ピーです。Bは、女性自身を意味する下品な言葉です。
卧槽(ウォツァオ)もよく使います。
若い中国人の男の子だと、ほぼ1分おきにこの卧槽を口にします。タメ口のようなものですね。友達同士なら平気で使いますが、一応、女の子の前では遠慮します。
wo4で発音します。
元々は、我操,I fuck という意味です。侮辱と言うよりは、強い驚き、ショックなどを表現します。「なんてこった、チクショウ!」みたいな感じです。
ガラの悪い中国語では、通常の発話にNTM,ニーターマーとかTM,ターマーという言葉を間投詞のように織り交ぜる言い方もよくしますが、日本語だとヤクザがしゃべるような非常に乱暴な言葉使いです。
中国語の悪い言葉は基本的に相手の母親を侮辱する意味ですが(これを脏话と言います)、この場合不特定に向けた表現です。
ネット上でこれらの罵倒語はよく使われますが、一部最初から入力しても表示できないように設定しています。なので、伞兵とか、SBなど、近い発音の言葉でやローマ字で当て字します。
伞兵は軍の兵科で落下傘部隊を表す言葉でしたが、国家の兵士を侮辱する行為を禁止するため、大手SNSでも傻逼と入力できるようになりました。
また、深井冰(シェンチンピン)という言い方もあります。
本来は神经病と書きます。同じ意味で有病とか、脑子有病とか言います。もっとマイルドな表現だと、吃药吧という言い方をします。き○がいという意味です。
狗(コウ)とか、走狗というのも悪い言葉です。相手を誰かの犬だと罵る時に使います(一回これを使って中国人に殴られたことがあります)。
民族の裏切り者を中国語で、汉奸と言いますが、もっと悪い言葉に狗汉奸(コウハンチェン)というものがあります。二鬼子とも言います。
正直、中国人はすぐ神经病とか傻逼とか悪い言葉をすぐ口にしますが、先程述べましたように相手の母親を侮辱する言葉は脏话ツァンファーと言って、別格扱いです。相手が不快になるのは勿論、使った方も人間性(中国語で人品レンピン)を疑われるインパクトの強い言葉です。外国人でも迂闊に使うと頭のおかしい人間だと思われ、露骨に軽蔑されるので避けたいところです。
2,
よく知られているように、日本人の事を侮辱する時は小日本(シャオリーベン)と言いますが、最近では小日子(シャオリーツ)という場合が多いです。抖音などでよく使われます。
小日子过得不错的日本人というネタが起源のようです。
ちなみに日本語のバカもそのまま通じます。
これは抗日ドラマの影響です(関西出身の日本兵は出てこないのか、アホは普及してません)。中国語で、八嘎とか八嘎牙路とか当て字します。「バカ」、「馬鹿野郎」です。
あと、日本人が向こうに渡航すると花姑娘とか哟西とか米西米西などと言われてからかわれることが多いですが、日本語がよく分からない中国人は、これが標準的な日本語だと思っています。
後ろの2つは「よし」、「メシメシ」から来ています。ファークーニャンはよくわかりませんが、いずれも戦時中日本軍兵士が使っていたピジン中国語に由来するようです。
白人やヨーロッパ人を侮辱する言葉として、洋鬼子とか大鼻子という言葉もありますが、ほとんど使われません。
ロシア人の事を侮辱するときは、特に老毛子(ラオマオズ)と言います。
中国には、国家の外交政策により第三世界からの留学生が多いのですが、黒人は中国のネットで評判が悪く、黑鬼と呼ばれてボロクソに言われています。この「鬼」は外国人を悪く言う言葉です。理由は黒人留学生の女癖が悪く、中国人女性とトラブルになることが多いためのようです。
社会主義の価値観からイスラム教徒も否定的に評価されていて、绿色などの隠語で呼ばれています。
人種とは違いますが、フェミニストも攻撃の的で、女举と呼ばれます。女权の当て字です。
中国人自身を悪くいう言葉もあって、シナ(漢字表記)と言います。普通の中国人はこれを見ると激怒するので、脏话以上に使用は絶対に禁物です。中国語ではジーナーと発音します。wechatとかだと、発信するだけで規制に引っかかるNGワードです(これを查水表と言います)。
しかし、中国人にも自国に批判的な人たちはたくさんいて、みずからを意図的にシ○、シ○人などと呼んでいます。こういう人たちは恨国党(へングオタン)と言って、twitterなどに多くいます。日本のネットで言うとネトウヨとかパヨクみたいな感じで、clubhouseなどの海外アプリで毎日不毛な罵り合いを飽きる事なく続けています(ここら辺も日本のネットと事情は同じです)。
また、中国のネット文化ではビリビリ動画などで戦前の日本を描いた映画を元にしたネタ動画がよく投稿されるので、「昭和」が特殊なキーワードになっています。
太昭和了など、形容詞的に使用されることもあります。
中国のネット民にとって、昭和というと、男性的で、古き良き時代の日本男児というイメージのようです。
他に引退した、かつての指導者江沢民氏の時代に中国の経済が高度成長を遂げたことから、江沢民氏を懐かしく思い、崇拝するモーハーというネタもありますが、当局から規制されています。
外国人としては、これらのネタには触れないほうが無難です。
以上、WeChatを使う上で役に立つ中国のネット文化をまとめてみました。ご参考にしてください。